Case

調査データが勝ち筋を示す ― NTTマーケティングアクトProCXが仕掛けるデータドリブン戦略

株式会社NTTマーケティングアクトProCX

コンタクトセンター運営代行サービスをはじめとするBPO事業を展開するNTTマーケティングアクトProCX(プロクス)は、2021年の会社設立以降、マーケティングおよびブランディングの強化に注力してきました。2025年には、日経リサーチの支援により、自社のブランド価値を定量的に測る「ブランド認知度調査」を実施。これまでの取り組みの成果を定量的に測り、次なる成長を描くためのプロジェクトとなりました。今回は同社CXソリューション部の井上賀友さんと吉田敏弘さん、事業推進部の林 有紗さんに、調査の背景、調査結果の活用法について伺いました。

029A2778

株式会社NTTマーケティングアクトProCX

CXソリューション部 DCX推進担当 統括担当部長

井上 賀友さん(中央)


CXソリューション部 DCX推進担当  チーフプロデューサー

吉田 敏弘さん(左)


事業推進部 事業推進担当

林 有紗さん(右)

 

生まれ変わったProCX――リブランディングの舞台裏

 

――まずは「CXソリューション部」と「事業推進部」の役割について教えてください。

井上賀友氏(以下、井上)|弊社の事業部は大きく「CXソリューション部」と「事業推進部」の2部門で構成されています。

CXソリューション部は、コンタクトセンター運営代行サービスをはじめとするBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)事業の運営を担う部門で、私は事業戦略や企画推進を担当しています。吉田は、同じ部門で主にプロモーション領域を担当しています。


林 有紗氏(以下、林)|私は事業推進部に所属し、広報活動を担当しています。コーポレートブランディングや社内広報など、会社全体のブランド価値を高めることがミッションです。


井上|今回、日経リサーチの協力で実施した「ブランド認知度調査」は、事業部側の販促とコーポレートブランディングの両面で結果を活用する必要があったため、この3名でプロジェクトを進めることになりました。


029A2998

 


――2021年の会社設立以降、ブランディングには力を入れてこられたと伺っています。

井上|元々、私たちはNTT西日本グループ内のシェアードサービス事業と、グループ外企業向けのBPO事業の両方を手がけていました。

しかし、2021年、グループ内向けの業務を切り離し、外部企業向けのBPO事業に集中するという方針転換を行いました。そのタイミングで、“CXのプロ”としてクライアントのビジネスに貢献するという志のもと、「NTTマーケティングアクトProCX(プロクス)」という社名で新たなスタートを切りました。


吉田敏弘氏(以下、吉田)|そこからの4年間は、生まれ変わった「NTTマーケティングアクトProCX」ブランドをつくる期間でした。

アウターブランディングとインナーブランディングの両面で取り組みを進めると同時に、マーケティング活動にも力を入れ、展示会への出展やWeb広告の出稿、オウンドメディアでの発信など、外向けのコミュニケーションを強化してきたのです。

029A3220

 

 

――そんな中、2025年には、自社のブランド価値の可視化を目的とした「ブランド認知度調査」を実施されていますが、調査実施の理由をお聞かせください。


井上|それまで社内でマーケティングおよびブランディング活動を進めてきたものの、定量的に振り返る術がほとんどありませんでした。そのため「自分たちが市場にどう認知されているのか」「私たちの強みはきちんと伝わっているのか」といった問いに対する答えをもちあわせていなかったのです。

そのような状態のままでは、次の戦略を描くのは難しいと感じ、いま一度私たちの立ち位置を把握する必要があると判断しました。

 

――調査を実施するにあたり、日経リサーチの調査サービスを活用した理由を教えてください。

 

井上|今回の調査は「日経IDリサーチサービス」を活用していますが、このサービスを選んだ理由は、私たちがターゲットとするビジネスパーソンに確実にリーチできることでした。

コンタクトセンター運営代行サービスへの発注権限者は、経営企画や営業、マーケティング、CS推進など、企業によって所属部署がバラバラです。そのため通常の調査パネルでは、ターゲットにリーチするのが困難なことも多い。

その点、日経電子版購読者を母集団とする日経IDリサーチサービスなら、職種や役職といった細かい属性に沿って調査対象が抽出できる。ここが日経リサーチに調査をお願いした大きな理由です。

 

データが示した“勝ち筋”とは

 

――「ブランド認知度調査」は、2025年の3月に実施され、600の回答が得られたということですが、特に印象に残っている調査結果はありますか。


吉田|コンタクトセンター運営代行サービス導入企業様が特に重視する「安心感」「安全性」「セキュリティ」というポイントにおいて、私たちは高い評価を得ていたことは印象的でした。

また、私たちはAIをはじめとする先進的なテクノロジーを積極的に活用して、お客様の変革を支援する姿勢を強く打ち出していますが、この点に関する結果は示唆に富むものになりました。一定の評価は得られていたものの、まだ“強み”として認識されるレベルには達していなかったのです。

技術力では他社に劣らない自負がありますが、露出量や情報発信が不足していたのでしょう。ここは重点的に強化すべきポイントだと改めて認識しました。

井上|売上規模では、業界で5、6位であるにもかかわらず、認知度では3位だったことも大きな気づきでした。一方で、上位2社との差が大きく、その差を埋めることが喫緊の課題であることも明確になりましたね。


|広報の立場からすると、社名の読み方が正しく認識されていないという事実は見過ごせませんでした。

社名の最後にある「ProCX」は「プロクス」と読むのが正しいのですが、「プロックス」や「プロシーエックス」と読まれている方が想像以上に多かったのです。

029A3280

 


――調査では、情報流出事案の影響も確認されたとか。

 

井上|はい。2023年の情報流出では、お客様に大変なご迷惑をおかけしましたので、その影響についても確認させていただきました。結果としては、ブランド毀損は限定的で、むしろ「セキュリティが強い」というイメージが引き続き維持されていたことがわかり、安心しました。事案後にシステムの抜本的な改善・是正を進めてきたことも、評価に表れたと感じています。

 

データドリブンマーケティングで発信力が劇的に向上

 

――調査結果を踏まえて、どのような施策を展開していますか。

吉田|調査結果を受けて、コーポレートサイトや展示会で発信するメッセージを、「セキュリティ」や「テクノロジー」を前面に打ち出すようにしました。


――発信するメッセージは具体的にどのように変わったのでしょうか。

井上|生成AIを活用した新しいソリューションはもちろん、社内のテクノロジー活用推進組織の情報、業界誌が実施する「コンタクトセンター・アワード」で「テクノロジー部門賞」を受賞したことなども積極的に公開するようにしました。また、生成AIを活用して、お客様のCX改善を支援した事例なども公開。これらの情報はコーポレートサイトだけでなく、ニュースリリースやセミナーなどでも紹介しています。

ここまで思い切ったことができたのは、調査により、やるべきことが明らかになったからこそだと考えています。

 

コーポレートサイトリリース-2コーポレートサイト掲載の「トピックス」、「ニュースリリース」(2026年1月時点)

 

 

――展示会への出展判断にも影響を与えているようですね。

 

井上|かつてはCX(カスタマーエクスペリエンス)をテーマにした展示会やイベント中心に出展していました。しかし、今回の調査で、コンタクトセンター運営代行サービスへの発注権限者の多くがDX(デジタルトランスフォーメーション)関連の展示会で情報収集をしていることがわかりました。そこで現在は、DX関連イベントへの出展を積極的に進めています。

 

 

――広報活動での活用はいかがでしょうか。

 

|社名の読み方が正しく認識されていないことがわかったので、Webサイトはもちろん、会社案内やメールマガジン、その他の広報資料において、積極的に社名にふりがなを振るようにしています。さらに、YouTubeで配信した広告動画でも、社名を文字で表示するだけでなく、ナレーションつきで紹介するという工夫を施しました。

 

Youtube広告動画ショートバージョン(15秒)

売上倍増という戦略転換の手ごたえ

 

――取り組みの成果について教えてください。

吉田|展示会では、ブースに立ち寄ってくださる方の数が前年より明らかに増え、来場者の方から「AIを使ったコンタクトセンター運営の事例を詳しく聞きたい」といった具体的な相談が増えました。生成AI関連の問い合わせ件数も調査前の倍近くに増えています。

結果として、DCXソリューション(顧客企業のDXとCX双方を推進するためのNTTマーケティングアクトProCX独自のソリューション)の売上は前年比で倍増しました。


井上|展示会での反応は本当に変わりましたね。以前は「BPO会社さんですよね?」という入り口が多かったのですが、今は「AIを使った改善提案をしてくれる会社」という認識で話しかけていただくことが増えました。

これは、私たちが目指してきたDCX(DX×CX)の“変革パートナー”としての立ち位置に近づいている証拠だと実感しています。

 

029A3046

――社内の意識にも変化はありましたか。

井上|今回の調査は、私たちの意思決定の質を大きく変えるきっかけになりました。調査前は「本当にそこに投資すべきか?」という議論が起きがちでしたが、調査後は「数字が示しているならやろう」という判断ができています。

特に生成AI領域の強化や、ブランド認知向上のための広報施策、展示会への参加といった取り組みは、調査結果を根拠とすることができるので、予算確保などがスムーズに進むようになりました。

 


――最後に、今後の展望をお聞かせください。

|広報担当としては、今回の調査で見えたブランド価値を社内外にしっかり浸透させていくことが重要だと考えています。調査結果を活かしながら、当社の魅力や強みをよりわかりやすく伝える広報活動を継続していきたいですね。

吉田|私たちは「単なるアウトソーサー」ではなく、DXとCXの両面からお客様の変革を支援する伴走パートナーとして進化していきたいと思っています。そのためにも、今回のような調査を定期的に実施し、しっかりとPDCAを回し続けることが不可欠だと感じています。

井上|そうした取り組みを進めていくうえでも、日経リサーチには引き続き客観的な視点と示唆をいただきたいですね。調査票の設計から分析、報告まで、非常に伴走力の高いパートナーだと感じています。

 


NTTマーケティングアクトProCXの皆様への取材で印象的だったのは、調査の結果を「攻めの施策」として活用するスピード感です。データに基づき、迷いなく施策を打つ姿勢が、DCXソリューションの売上倍増という驚異的な成果に直結していました。客観的な指標が組織の共通言語となったとき、事業成長を牽引する強力なエンジンになるのだと、その実例を目の当たりにしたインタビューでした。貴重なお話、ありがとうございました。

 

029A2931


青字_1行ロゴ_NTTマーケティングアクトProCXhttps://www.nttactprocx.com/

 

“日経ID会員”を対象とした調査サービス
資料ダウンロード

ビジネスパーソンの意識や動向把握なら
日経IDリサーチサービスをご活用ください
資料ダウンロード

BtoBブランド調査を
ご検討中の方はご相談ください

ご相談や見積もりのご依頼がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

0120-980-181 平日9:00~12:30 / 13:30~17:30
ico_information

課題からお役立ち情報を探す

調査・データ分析に役立つ資料を
ご覧いただけます。

ico_contact

調査の相談・お問い合わせ

調査手法の内容や、
調査・データ分析のお悩みまで気軽に
お問い合わせください。

ico_mail_black

メルマガ登録

企業のリサーチ、データ分析に役立つ情報を
お届けします。