Case

すべてはコンプライアンスに関する問題を“自分事化”するために

JCOM株式会社

JCOM株式会社では、コンプライアンスの遵守を重視し、従業員のコンプライアンス意識向上を図るための取り組みを積極的に進めています。2022年からその取り組みの一環として日経リサーチの「コンプライアンス経営診断プログラム」を活用。社内のコンプライアンス推進活動を主幹するJCOM株式会社 管理本部 法務部長 浅野庸平氏に、プログラム活用に至った経緯や取り組みの狙いを聞きました。

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JCOM株式会社
管理本部 法務部長
浅野庸平さん

成功のカギは“いかに自分事としてとらえてもらうか”

 

——まずは貴社の企業活動におけるコンプライアンス推進活動の位置づけについてお聞かせいただけますか。

 

浅野庸平氏(以下、浅野)|私たちは地域密着型の放送・通信事業者として、ケーブルテレビ、インターネットなどのサービスを展開していますが、社会的なインフラを提供する企業としてコンプライアンスを遵守する責任があると考えています。また、当社は、インフラ企業として、お客さまからの信頼を第一に考えており、万一コンプライアンス違反が生じれば、お客さまとの信頼関係を棄損しかねません。だからこそコンプライアンス推進を経営上の最重要課題として位置づけ、積極的に取り組みを進めています。


——どのような体制でコンプライアンス推進に取り組んでいるのでしょうか。

 

浅野|コンプライアンス推進活動は、基本的に私たち法務部が主幹していますが、それとは別にコンプライアンス委員会という会議体を設けています。ここでは各事業部門から選任された委員が参加し、コンプライアンス上の課題などを議論しています。この委員会で挙がった意見を踏まえて私たちがコンプライアンスの活動計画などをまとめて具体的なアクションを実行していきます。


——例えばどのようなアクションを実行しているのでしょうか。


浅野|研修によるコンプライアンス教育を実施しているほか、経営層からのメッセージ発信など様々な取り組みを行っています。特に力を入れているのが「J:COMユニバーシティ」という研修プラットフォーム内で展開している研修コンテンツを充実させること。例えば、著名なタレントをキャスティングしたドラマ仕立てのオリジナル動画を制作したり、マンガで学ぶコンテンツを用意したりという具合です。

 

 

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——「コンプライアンスというテーマだと『自分は大丈夫』『自分には関係ない』と考える社員が多いので苦労している」という企業からの声はよく耳にしますが、ドラマやマンガだと、興味をもってくれそうですね。

 


浅野|そうなんです。私たちもかつては一般的な教材だけを利用して研修を行っていましたが、それではなかなか受講者に真剣になってもらえないのが悩みの種でした。コンプライアンスを自分事として捉えてもらうためにドラマやマンガというコンテンツを制作することにしたのです。

 

         <マンガで学ぶコンテンツ 抜粋>

漫画写真

 

                                                                                                                                                   制作会社:株式会社フーモアlogo_color_black[1]   

                                                                                                                                                     作者:舞子

 

1万6,000人規模の年次調査に対応可能な調査会社は意外と限られる?      

——コンプライアンス推進活動において苦労していることはありますか。

 

浅野|事業拡大や経営統合などで、組織規模が大きくなり、社内に様々なカルチャーが混在することによる苦労はありますね。例えば、部署によってコンプライアンスに対する考え方に差があるという具合です。また、施策の効果が見えにくいのも課題の1つ。かつては「効果が出る取り組みはどんなものか?」あるいは「現在進めている施策のほかにやるべきことはないのか?」という疑問が常に頭の中にあるという状態でした。しかし、この点については、従業員向けのコンプライアンス意識調査を実施することで、改善を図ってきました。

 

——2022年に日経リサーチを利用する前から社内調査は行っていたそうですね。       

 

浅野|その時々の状況や潜在的なリスクの把握を目的として、2015年からある調査会社に委託して調査を実施していました。

 

——そのような状況からなぜ委託先を変更することになったのでしょうか。

 

浅野|以前は、社内の部署を3グループに分け、1年に1グループずつ調査を行っていました。しかし、それではドラスティックに変化する世の中や私たちの事業展開のスピードに追いつけません。そこで毎年全社的な調査を行う必要があると考えたのですが、当時の調査会社ではリソース的に課題がありました。なにしろ16,000人もの社員が対象になりますから。また調査票も毎年決まったものを使っていたので、調査がマンネリ化しているという課題もあり、別の委託先を探すことになったのです。

 

——業務委託先に日経リサーチを選んだ決め手はどのようなことでしたか。

 

浅野|当時の候補は5社でしたが、その中で日経リサーチの「コンプライアンス経営診断プログラム」は、こちらの要望に合わせて調査を柔軟にカスタマイズできることに加え、コストと納期のバランスがよかった。また規模の大きい企業の導入実績が豊富だったことも評価した点です。

                                                                                        

——「コンプライアンス経営診断プログラム」における調査の印象を聞かせてください。


浅野|調査自体は非常にスムーズに実施できた印象です。また期待通り、調査項目のカスタマイズについても柔軟に対応していただけました。例えば、特にコンプライアンスに関する問題が生じやすい環境で仕事をしている営業担当者に特化した設問を設定してもらったことを記憶しています。さらに、近年、社会的に注目されているカスタマーハラスメントや労務費・原材料費の価格転嫁の問題に関する設問も追加してもらいました。

 

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——調査レポートについてはいかがでしたか。


浅野|以前の調査会社のレポートでは、調査結果と統計的な分析がメインで、その後どのようなアクションを取るかの検討に課題を感じていました。その点「コンプライアンス経営診断プログラム」では、優先度の高い課題を明らかにしてくれますし、これまでのベストプラクティスをもとにした課題解決策も提示してくれるので、アクションにつなげやすかったですね。

 

——調査結果についての感想も教えてください。

 

浅野「コンプライアンス経営診断プログラム」では、日経リサーチが保有するベンチマークデータとの比較が可能ですが、これを利用したところ、他社と比べて当社の状況は思ったよりも悪くないことが明らかになりました。自社の調査データだけでは、部署間や年度間での比較しかできず、結局主観的な要素で判断するしかありません。それまでは、調査結果をみても、本当に正しく評価できているのか不安でしたが、そんな不安を払しょくすることができたのは大きな収穫です。

——「コンプライアンス経営診断プログラム」を実施したことで、内部通報制度の社内の認知度に課題があることが明らかになったそうですね。

 

浅野内部通報制度の認知度の低さは、2022年に実施した1年目の調査でわかったことでした。この課題を解消するべく、まずは内部通報制度をテーマにしたマンガを制作。さらに認知度に課題がありそうな部署に対し、集中的にアナウンスを行った結果、2年目の調査では大幅にスコアを改善することに成功しました。先日結果が出たばかりの3年目の調査でも高水準を維持していることが確認できたので、ひと安心しているところです。

変化する社会要求に対応するため、継続調査は必要不可欠

——「コンプライアンス経営診断プログラム」を活用する価値について、改めて考えを聞かせてください。

 

浅野|やはり企業にとってセンシティブな問題であるコンプライアンスに関して、ベンチマーク比較ができるのは最大のメリットですね。また、組織風土や職場環境など、潜在的なコンプライアンスリスクが可視化されるのも意義深い。コンプライアンスに関する問題は、何か起きてからでは手遅れになりかねないので、リスクが顕在化する前に対処できるのは本当にありがたいです。

 

——今後も「コンプライアンス経営診断プログラム」を活用して、コンプライアンス意識に対する調査を行っていくとのことですが、継続的に調査を行う価値についてはどうお考えですか。

 

浅野社会情勢や経営環境は常に変化していくので、たとえ過去の調査で問題がなかったとしても、それで安心できません。その時々の状況に適したコンプライアンス意識が私たちの中にきちんと根付いているかどうかを確認するためにも、継続的な調査が必要不可欠です。また、課題の中には、解決までに時間がかかるものもあります。経年で調査することで、その課題が少しでも改善傾向にあることが分かれば、自信をもって取り組めるでしょう。

——今後の展望について教えてください。

浅野コンプライアンス意識の調査データを、ストレスチェックの分析データなど、ほかの調査データと掛け合わせて分析したいですね。そうすることで、これまで見えていなかった課題や改善点を洗い出せる可能性があります。社内にデータはたくさんあるので、いろいろと活用して、取り組みを最適化させていきたいと考えています。

 

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