カブシキガイシャ ニッポンのお悩みデータベース｜長～い承認経路にDXへの抵抗、スキルアップしたところで給料も上がらない…ビジネスパーソンの意欲低下をどう食い止める？

　日経リサーチは、ビジネスパーソン3,008名に「仕事上の困りごと」を調査した。

　本コラムでは、提示した16の困りごとの中で、2～5位だった「社内の業務プロセス・ワークフロー」「デジタル・技術革新と適応」「スキル・キャリアアップ」「労働環境・意欲」について、自由回答で聴取した具体的な悩み・課題を紹介する。

社内の業務プロセス・ワークフロー

　業種を問わず、マニュアルや属人化に関する課題が多かった。一方、過度なマニュアル化や行き過ぎたチェック体制についてのコメントもあり、不満が多い。製造業においては、ワークフローに関する声も目立った。

デジタル・技術革新と適応

　特に製造業において、投資と効果のバランスの難しさから改革が進まないという声が目立った。デジタル化を提案する立場の情報通信業において、「DX化を提案している自分の会社がDX化できていない」（男性40代）という声もあった。デジタル化への抵抗、負担の増加など、導入だけでなく、浸透、活用段階においても問題が多い。

スキル・キャリアアップ

　どの年代でも、スキル・キャリアプランが見えないという声が多かった。「50代に向けて」「60歳を過ぎてから」など、区切りとなる年齢に応じて自ら考えるためのサポートにニーズがありそうだ。

　学びたい内容としては、「IT」「AI」「BIツール」「RPA」「MBA」「マーケティング」「英語」などが挙がっていた。一方で、モチベーションや時間確保に関する悩みも多い。

労働環境・意欲

　特に製造業において、モチベーションが下がったシニア雇用者に関する悩みが多く挙がった。再雇用では、現役時代より給与が減ることが多いが、すでに一部企業では人材確保のため、定年前と同じ業務を担当することを条件に基本給を維持する制度も開始している。モチベーションの高いシニアを確保・活用する動きが増えそうだ。

　建設・物流業では、2024年問題に関する言及が目立ったほか、意欲を削ぐ原因として、評価制度、いわゆる“ブルシット・ジョブ（くだらない仕事）”、 ”ホワイト企業”なども挙がっていた。