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CXを探る~生活者の期待外れはどこで起きる?日経リサーチ「生活者痛点 基本調査」から シリーズコラム 第2回

 日経リサーチでは、生活者が感じる不便や期待外れといった「痛点」にフォーカスした調査を実施しました。生活者はどこに痛点を感じるのか、痛点の発生は企業にどのような影響をもたらすのかなどを複数回にわたってご紹介します。
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 今回は痛点(不便・期待外れ)が多く発生している業種について、カスタマージャーニーのどこで、どのように顧客の期待を裏切る体験が起きているのかを見ていく。
 生活者は小売り、消費財・日用品、金融、通信・通信機器、レジャー・余暇といった購入・利用頻度が高い業種で、痛点(不便・期待外れ)を感じることが多い。それぞれの業種について、カスタマージャーニーのどこで痛点が発生しているかを見たところ、金融以外の4業種では「商品・サービスの利用」時に最も多く発生していた。金融は「利用の継続」時をはじめ、「来店・接客」「購入・支払い」時などジャーニーの各所で痛点が発生していることが分かった。

 

図1 痛点が多い業種TOP5の痛点発生率と発生のタイミング(%)

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 小売り、消費財・日用品、通信・通信機器、レジャー・余暇の4つの業種について、商品・サービスの利用時に具体的にどのような痛点が発生しているのかを見ると、最も多かったのはいずれも「商品・サービスの品質や機能に問題があった」時だった。中でも痛点の発生が最も多かった小売りでは、実物を見て購入ができないオンラインショッピングで痛点が顕著だった。
 金融については、購入・支払い時に「利用したい支払方法が選べなかった/使えなかった」が最も多く、電子マネー/QRコード決済とクレジットカードで目立った。利用の継続時では「商品・サービスの質・内容が変わった」が最も多く、特に銀行において多く発生している。「事前の告知が不十分なままサービスが有料になった」「手数料が変わっていた」など、十分な説明と理解がないまま顧客にサービスが提供され、不満につながるケースが見られる。

 各業種の痛点は今後の継続利用意向にどう影響するのか。小売り・金融・通信/通信機器について、痛点が発生したタイミング別に継続利用意向を比較した。

 

図2 痛点の発生タイミング別に見た継続利用意向(%)

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※継続利用意向とは、痛点を感じた事業者の利用を今後も続けるかとの質問に
「必ず利用を続ける」「多分利用を続ける」と回答した人の割合

 

 小売りでは「問い合わせ」「商品・サービスの利用」時に痛点を経験した人の継続利用意向が低い。特に「商品・サービスの利用」で痛点の発生率が高く、ここで発生している痛点とその原因を見極めることで、顧客の離反リスクを減らせる。
 金融は「商品・サービスに関する情報」「利用の継続」時に痛点を経験した人の継続利用意向が低い。商品・サービス利用前の情報収集段階で不便・期待外れを感じれば、実際の利用につながらないのはもちろん、商品やサービスの利用方法を十分理解しないまま利用し始めれば、継続しない可能性が高いことが伺える。金融は顧客と長期的な関係を築きやすい業種である一方、痛点を感じながらも利用し続けている顧客がいる可能性を認識する必要がある。
 通信/通信機器では特に「問い合わせ」時に痛点を経験すると継続利用意向が低下する。例えば、問い合わせに対応する店員の知識が十分でなく、問題が解決しない・たらい回しにされる――といったことがあげられる。顧客目線で、問い合わせのしやすさや、FAQのわかりやすさ、従業員教育が十分かなどを確認することが必要だ。

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