帝国ホテルが17年連続、ANAは初の顧客満足1位|2025年度JCSI(日本版顧客満足度指数)第4回調査結果
帝国ホテルが17年連続、ANAは初の顧客満足1位
初調査の有料特急は小田急電鉄が首位 8業種82企業・ブランド対象
2025年度JCSI(日本版顧客満足度指数)第4回調査結果
株式会社日経リサーチが利用推進パートナーとなっている「JCSI(日本版顧客満足度指数)」の2025年度第4回調査(同年8~9月実施)の結果が発表されました。
JCSIは日本最大級の顧客満足度調査で、合計9つの指標について測定しており、その中から、経営目標に活用しやすい指標として、「顧客満足」と「推奨意向(おすすめ度)」、「感動指標」の3つの調査結果を発表しています。今回は8業種(シティホテル、ビジネスホテル、国内長距離交通、教育サービス、生命保険、損害保険、国際航空、有料特急)の有力企業・ブランド(以下「社」と表記)82社(各種条件を満たしたランキング対象は70社)について各指標を測定しました。
今回はシティホテルで帝国ホテルが17年連続で満足度1位を達成する一方、国内長距離交通はANAが初めてトップに立ちました。また、初めて調査した有料特急は小田急電鉄が首位に輝きました。帝国ホテルをはじめとする5社は顧客満足とおすすめ度、感動指標の三冠に輝きました。
以下、業種別に顧客満足を中心とした3指標のスコアを見ていきます。
シティホテルは7社が調査対象(ランキング対象は5社)となり、帝国ホテルが17年連続で1位になりました。2位には昨年度3位だったホテル日航が浮上し、入れ替わりでホテルオークラが3位に後退しました。上位3社はいずれも昨年度よりスコアを落としましたが、1位と2位の差は1.2ポイントから2.8ポイントに開きました。
ビジネスホテルはSuperiorクラスの調査対象から2社が外れて4社となりましたが、ランキング対象は3社で変わらず、Standardクラスは昨年度同様、調査・ランキング対象とも5社でした。全体では9社(ランキング対象8社)の中から、Superiorクラスでトップのドーミーインが6年連続1位になりました。2位のリッチモンドホテル(Superiorクラス)、3位のスーパーホテル(Standardクラス首位)も順位は変わらず、1位と2位のスコア差もほぼ同じでした。Standardクラスは東横インが2位、ルートインが3位と順位が入れ替わりました。3指標のうち、おすすめ度は今年度もリッチモンドホテルが首位でした。一方、感動指標はドーミーインが2位のリッチモンドホテルを5ポイント近く引き離しています。
国内長距離交通は調査対象14社(ランキング対象13社)の中から、国内航空(調査対象9社、ランキング対象8社)のANAがトップ3圏外からいきなり初のトップになりました。3連覇していたスカイマークが2位、ソラシドエアが3位でしたが、3社のスコア差はわずかです。ANAはおすすめ度も1位でしたが、感動指標は今年度もスターフライヤーがトップでした。新幹線(調査・ランキング対象5社)は1位が昨年度3位の東海道新幹線で、北陸新幹線が2位に入るなど、順位が大きく変動しました。
教育サービスは調査対象は7社でしたが、ランキング対象は学研教室が外れ、5社となりました。昨年度からランキング対象になったECCが2年連続で顧客満足1位となりました。2位のヤマハと3位のスタディサプリは順位が入れ替わりましたが、上位3社のスコアに大きな変動はありませんでした。ECCはおすすめ度と感動指標もトップで2年連続の三冠達成です。
生命保険は共済組合(4社)と保険会社(11社、ランキング対象は9社)という2つのサブカテゴリーの調査対象15社の中から、昨年度2位に落ちたコープ共済がスコアを1.6ポイント伸ばして80点台に乗せ、都道府県民共済をかわして首位に返り咲きました。コープ共済は昨年度も1位だった感動指標に加え、おすすめ度もトップに復帰し、三冠に輝きました。保険会社の中ではソニー生命が首位でしたが、スコアは共済勢に大きく引き離されています。
損害保険は自動車保険系でこくみん共済coop〈全労災〉がランキング対象から外れましたが、セゾン自動車火災から社名変更したSOMPOダイレクトを含めて調査対象は11社(ランキング対象8社)、住宅・火災保険系が調査・ランキング対象7社で、調査対象は昨年度と同じ18社でした。その中から、自動車保険系トップのソニー損保が昨年度よりスコアを2.0ポイント落としたものの、10年連続で首位になりました。2位も6年連続で住宅・火災保険系トップの都道府県民共済が入りました。首位との差は4.5ポイントから3.1ポイントに縮まりました。3位には自動車保険系の東京海上日動が浮上しています。ソニー損保は3年連続のおすすめ度に加え、今年度は感動指標もトップとなり、三冠を獲得しました。どちらも2位に大差をつけており、特に感動指標は2位の三井住友海上を7.0ポイントと大きく引き離しています。
このほか、サービス業で注目を集める業種を対象にした特別調査を2業種で実施しました。
国際航空は2019年度以来の調査で、前回はアシアナ航空、ANA、キャセイパシフィック航空、JAL、シンガポール航空、大韓航空、タイ国際航空、デルタ航空、ユナイテッド航空の9社がランキング対象(調査対象はチャイナエアラインを含む10社)でしたが、今回はアシアナ、ANA、JAL、シンガポール、大韓の5社がランキング対象(調査対象はキャセイを含む6社)となり、シンガポール航空が前回調査に続いてトップになりました。2位ANA、3位JALという順位も前回と変わりませんが、ANAがスコアを落としたため、1位と2位のポイント差は1.0から2.2に開きました。シンガポール航空はおすすめ度と感動指標もトップで、三冠に輝きました。感動指標は2位のANAに5.3ポイントと大差をつけています。
今回新たに調査を実施した有料特急は小田急電鉄、東武鉄道、近畿日本鉄道の民鉄系と、JR東日本・東海・西日本の在来線という合計6社が調査・ランキング対象となり、新宿―箱根湯本間の特急ロマンスカーなどを運行する小田急が、大阪・名古屋・京都・奈良・伊勢志摩などを結ぶ近鉄を僅差で抑えて初代トップに輝きました。おすすめ度は近鉄が、感動指標は浅草と日光・鬼怒川・会津・上州などをつなぐ東武鉄道が1位となりました。感動指標は東武が近鉄を2.7ポイント引き離しています。3指標の上位はすべて民鉄系3社が独占しました。
JCSIは米国ミシガン大学で開発された顧客満足度指数をベースに、経済産業省の支援のもと、日本生産性本部のサービス産業生産性協議会(SPRING)が開発した指数で、当社はJCSI開発当初から深く関与してきました。
各業種のランキングは日本生産性本部サービス産業生産性協議会(SPRING)のプレスリリースをご覧ください。
https://www.jpc-net.jp/research/detail/007761.html
当社はJCSIの利用推進パートナーとしてレポートなどを販売するだけでなく、JCSIをベースにしたカスタマイズ調査を企画・設計いたします。お気軽にお問い合わせください。
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