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CXを探る~「がっかり」の感情、口コミの影響力大きく シリーズコラム 第4回

 日経リサーチは、生活者が感じる不便や期待外れといった「痛点」にフォーカスした調査を実施しました。生活者はどこに痛点を感じるのか、痛点の発生は企業にどう影響するかなどを複数回にわたって紹介します。
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 今回のコラムでは、商品・サービスの購入や利用において痛点(不便・期待外れ)を体験した顧客の感情を読み解いていく。

 痛点を体験した際に抱いた感情を尋ねたところ(複数回答)、がっかりした、イライラした、腹が立ったの順で高かった(図1)。

図1 最も深刻な痛点(不便・期待外れ)で抱いた感情

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 多くの顧客が抱いたがっかりしたは、どんな商品・サービスで起きているか。がっかりした対象業種の上位には日常的に利用頻度が高いサービス・商品が並び、オンラインショッピングが13.3%でトップだった。

■【がっかりした】対象の業種

  1. オンラインショッピング 13.3%
  2. 食品/飲料 8.0%
  3. 衣料/服飾品(時計・アクセサリーなど)5.7%
  4. 日用品/化粧品/パーソナルケア 4.9%
  5. 外食/飲食店 4.6%

 

 では、どんな状況でがっかりしたか。上位5つを見ると、「商品・サービスの品質や機能に問題があった」が25.4%でトップだった。2位以下がひとケタなので突出している。

■【がっかりした】具体的な状況

  1. 商品・サービスの品質や機能に問題があった 25.4%
  2. 広告や宣伝の内容に問題があった(誇張、不快な表現など) 5.3%
  3. 接客/対応が不快だった 4.8%
  4. 広告やチラシに出ていた商品が店頭になかった(品切れ/在庫切れ) 4.7%
  5. 広告などで見た商品やサービスが、実際にはどの商品/サービスかわかりづらかった 3.6%

 

  次に、痛点発生時に抱いた感情によって、その後の行動に違いがあるかを見た。不安だった、腹が立った顧客のそれぞれ39.1%、38.5%は商品・サービスの提供者である企業に苦情や不満を告げていた。それに対し、がっかりした顧客が申し出た割合は28.6%にとどまり、7割はどこにも苦情を言わないサイレントカスタマーであることがわかった。

※企業への申し出先にはコールセンターなどの専用窓口だけではなく、商品やサービスを購入した店舗やインターネットなどを含む

 苦情を企業に言わなくても、他人に話す(口コミをする)ことはあるのだろうか。

 びっくりした、不安だったと感じたときは65%以上の人がその体験を誰かに話している(図2)。一方、がっかりした場合には誰かに話す割合は6割に達しない。しかし、「何人に波及したか」という口コミの影響人数(※)を推定すると、がっかりした人はそもそも数が多いため、結果として口コミが及ぶ規模は大きくなる。上述したように、最もがっかりしたと感じるのは「商品やサービスの品質や機能」についてである。顧客の「がっかり体験」が企業に与える負の影響は大きい。

図2 痛点を誰かに話した割合と人数、その影響人数

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※感情別の人数をベースに、誰かに話した割合×話した相手の平均人数から口コミの影響(人数)を算出

 がっかりした顧客はサイレントカスタマーが多いため、その感情を企業は見落としやすい。だが、がっかりは多くの顧客が体験し、共有する感情であると理解することが重要だ。


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