金融商品の相談先、金融機関は3割どまり 高齢者の半数は自ら判断
日経リサーチは、全国の一般消費者約16万人を対象に今年9月に実施した金融機関顧客評価調査「金融METER®」の結果をまとめた。金融商品の情報収集に際して、年代による行動の違いが明らかになった。金融機関には年代の特徴に沿った、きめ細かな対応が求められる。
今回の調査は投資商品・生命保険・損害保険について①情報収集②比較検討③商品見直し――の各フェーズで相談先はどこかを聞いた。本コラムでは、投資商品と生命保険の情報収集フェーズについて、年代により相談先に違いがあるかを分析した。
投資商品(図1)では、「相談はしない(自分で行う)」が全体で42.7%に上り、金融機関への相談は3割にとどまった。「相談はしない(自分で行う)」は、年代が高くなればなるほど増える傾向がある。特に高齢者層(60歳~)は、半数が相談はせずに自分で行っていると回答した。年代ごとの特徴をみると、若年層(20~39歳)は家族や知人などの親しい人への相談が20.6%と高く、SNSも他の年代を上回った。
図1.投資商品の情報収集
※1「金融機関の店頭」「金融機関のコールセンター」「金融機関の公式ホームページ」「金融機関の担当者」の合計
※2「友人・知人・同僚」「家族・親戚」の合計
※3 SNS(Twitter, Instagram等)
※「金融機関の店頭」「金融機関のコールセンター」「金融機関の公式ホームページ」「金融機関の担当者」「代理店」
「ファイナンシャル・プランナー」「友人・知人・同僚」「家族・親戚」「SNS(Twitter, Instagram等)」「その他」
「相談はしない(自分で行う)」「わからない/行っていない」で聴取、「わからない/行っていない」を除いて集計した結果
生命保険の情報収集も投資商品と同様の傾向で、全体では「相談はしない(自分で行う)」が37.7%でトップとなった。年代別の特徴をみると、若年層では家族や知人などの親しい人への相談が25.7%と高く、「相談はしない(自分で行う)」は23.8%だった。
図2.生命保険の情報収集
※1「金融機関の店頭」「金融機関のコールセンター」「金融機関の公式ホームページ」「金融機関の担当者」の合計
※2「友人・知人・同僚」「家族・親戚」の合計
※3 SNS(Twitter, Instagram等)
※「金融機関の店頭」「金融機関のコールセンター」「金融機関の公式ホームページ」「金融機関の担当者」「代理店」
「ファイナンシャル・プランナー」「友人・知人・同僚」「家族・親戚」「SNS(Twitter, Instagram等)」「その他」
「相談はしない(自分で行う)」「わからない/行っていない」で聴取、「わからない/行っていない」を除いて集計した結果
年代が上がるにつれ相談しない人の割合が高まるのは、年を重ねるほど投資経験や金融リテラシーも高まるためとみられる。自ら情報収集する時間的な余裕も増え、金融機関に頼らなくても判断できる。一方、若年層は身近な人やSNS、金融機関など幅広く相談している様子がうかがえる。
金融情報があふれ、消費者にとって相談先の選択肢は増えている。①相談せずに自分で行う人にとっても、魅力的なプラットフォーム・価値ある情報を提供する②金融初心者の若年層が相談しやすい環境を整えたり、サービスを提供したりする――。金融機関が相談先に選ばれ続けるには、年代ごとの特徴をとらえた取り組みが必要となる。
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日経リサーチ「金融METER®」は、個別金融機関の調査結果の提供も可能です。ターゲット層へのアプローチ方法やプロモーション施策の検討材料として、「金融METER®」をご活用いただければ幸いです。
(ソリューション本部アカウント第1部 五十川 陸斗)
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