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【連載】日経「スマートワーク経営」調査結果解説コラム第a1回 新型コロナに企業はどのように対応したか

国内有力企業710社が回答した第4回日経「スマートワーク経営」調査。2020年11月に公表された調査結果から、企業の働き方改革推進や生産性向上に役立つデータをご紹介します。(全5回、隔週掲載予定)

今回の調査は2020年5~7月に実施しました。新型コロナウイルス感染症(COVID‑19)の流行により緊急事態宣言が発出される中、在宅勤務などの新型コロナ対策の現況や今後の意向なども聞きました。

85.3%の企業が在宅勤務を導入・拡大

新型コロナウイルスの感染リスク抑制のため、多くの企業が時差出勤や在宅勤務などの対応に追われました。特に在宅勤務については、回答企業の52.4%が既存の制度を拡大し、32.9%が新たに制度を導入しました(図1)。既に在宅勤務を導入していても、育児中の社員などに利用を限定していた企業が多く、急遽、対応拡大を求められたことがわかります。

図1.新型コロナ流行後の制度の導入状況 ※無回答を除く

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働く場所の自由度・利便性向上策とセットで

今回、新型コロナ対応で導入した様々な制度・施策により、平常時と比べてどのような影響があったか聞いたところ、仕事の効率については、向上したと答えた企業が23.6%、悪化した企業が25.2%と、割合がほぼ拮抗しました(図2)。

図2.新型コロナ対応施策導入の仕事効率に対する影響 ※無回答を除く

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これはあくまで企業側のこの時点での認識ではありますが、対応策で成果が出た企業と出ていない企業に分かれました。
では、効率が向上した企業は、どのような取り組みを行っているのでしょう。生産性向上を目的とした施策の導入状況(※新型コロナ流行前の導入も含む)を、回答企業全体と効率向上企業とで比較すると、社内の労働環境の改善策と並んで、「フリーアドレス」(全体47.0%、向上企業64.6%)、「外出先で社内資料が閲覧できるモバイル端末」(全体78.6%、向上企業91.3%)、「会議資料・申請書類の完全電子化」(全体32.0%、向上企業46.5%)といった施策の導入率が向上企業では全体を10ポイント以上上回りました。在宅勤務だけでなく、従業員の働く場所の自由度や利便性を高める施策をセットで実施することが、新型コロナ流行下での仕事効率向上につながると言えそうです(図3)

図3.生産性向上のために導入している施策

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向上企業はコロナ収束後も人事労務変革を加速

調査では、新型コロナ禍収束後に見直そうとしている人事労務施策についても聞きました。「対面会議など社内コミュニケーションのあり方」(57.2%)、「テレワークを考慮した勤怠管理制度」(55.8%)、「社内研修など教育のあり方」(54.1%)などが全体で上位を占めましたが、効率向上企業はいずれの項目も総じて全体よりも該当率が高い傾向にありました(図4)。

図4.新型コロナ収束後に今後見直そうとしている人事労務施策

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新型コロナへの対応がうまくいっている企業は、収束後も積極的に人事労務施策の変革に取り組もうとしていることが分かります。

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