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テレワークするか出勤するかそのバランスを考える

新型コロナ禍において、広く社会に浸透したテレワーク。ただ、テレワークでは社内のコミュニケーションが取りにくくなる、業務効率が低下するといった影響も出ていることが、日経リサーチの「従業員・コンプライアンスに関する調査」で明らかになっています。

今回のコラムでは、「テレワークのみ」「テレワークと出勤の組み合わせ」「出勤のみ」というそれぞれの働き方が、会社や職場に対する意識にどのような違いをもたらすのか探ってみました。

日経リサーチが2020年11月、1万6000人あまりを対象に実施した大規模調査で、従業員の意識や実態について調べたところ、図1のような結果が出ました。

図1.働き方によって、特に結果の違いがみられる項目

設問に対して「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と回答した割合

C7636-01

働き方の違いは以下のように分類しました。
出勤のみ…「出勤(通常出勤・時差出勤)」のみを回答
テレワークのみ…「テレワーク(在宅勤務)」のみを回答
テレワークと出勤の組み合わせ…「テレワーク(在宅勤務)」「出勤(通常出勤・時差出勤)」両方を回答

図1のいずれの項目においても、ポジティブな回答の割合はテレワークと出勤を組み合わせた働き方の人が最も高く、次いで「テレワークのみ」、「出勤のみ」となっています。

以下の項目も図1の3項目と同様の傾向になりました。

  • 自分にとって働きがいのある会社である
  • 今後も現在の会社で働き続けたい
  • 自社では仕事に必要な知識やスキルをつける教育・トレーニングの機会が充実している

働き方の違いは「会社」や「職場」に対する意識に、幅広く影響を与えるようです。

また、「テレワークのみ」より「テレワークと出勤の組み合わせ」の方がポジティブな結果が出ていることは、テレワークを可能にする制度やシステムを整えるのと同時に、職場ごとに出勤とどう組み合わせるか、そのバランスを探るべきであることを示唆しています。

機械的に順番で出勤者を決めることも可能ですが、うまく組み合わせるには、柔軟な働き方を許容する職場風土があるか、具体的にはテレワークに関する社員(特に上司)の理解が進んでいるか、離れていても社員同士で良好な関係性が保てるか、評価や処遇に影響が出ると感じられないか、といった要因を指標とし、考慮すべきでしょう。

今回の調査結果からは、制度や仕組みとしてテレワークを導入したからと言って、従業員の満足度や働きやすさが高まるわけではない、ということが読み取れます。皆さんの会社は働き方のバランスを取るために、どのような工夫をしているでしょうか。

日経リサーチは従業員の働き方に関する意識や実態を測るフレームとデータを保有しています。客観的なデータを基に、企業の働き方改革やマネジメント力向上を支援していますので、ご興味がある方は、お気軽にご相談ください。

働き方に関する調査(2020年11月12日~12月3日実施)

調査対象 全国16歳以上の一般男女個人
回答者数 16,397人(分析時は人口構成比にてウエイトバック集計を実施)
調査主体 株式会社日経リサーチ

(人組織チーム ソリューション本部 営業企画部 伊東隆太郎)

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