「ユニクロ」「タニタ」「日産」の共通点とは?あなたの会社の"ブランドライバル"はどこ?
前回は当社独自の日経リサーチ企業ブランド類型(NKR CBT)を使った企業ブランドの分類法をご紹介しました。今回からはNKR CBTによる12のブランドタイプの中から、いくつか選んで説明していきます。まず今回は「安心サステナビリティブランド」を取り上げます。このタイプはブランドイメージ4分類のうちの「持続性」と、経験価値3分類のうちの「安全・安心価値」に高くスコアが出ているのが特徴です。社会の変化に柔軟に対応しつつ、毎日の生活の「安心」を支えてくれる、といった要素を持ったブランド群ととらえることができます。昨今ますます注目されているSDGsやESGといった企業活動との親和性も高いタイプです。
表-1 企業ブランド類型12分類
「安心サステナビリティブランド」に分類される主な企業を表2に示しました。これらの企業は異なる業界に属していますが、生活者からは“競合するブランド”として近いポジションに認識されているといえます。
表-2 ブランド戦略サーベイ2020での安心サステナビリティブランド主要企業
では、このうち「ユニクロ」「タニタ」「日産自動車」にフォーカスして、それぞれのような違いがあるのか見ていきます。まず「安心サステナビリティブランド」の特徴である「持続性」を構成するブランドイメージの中から、各社が評価されている項目をピックアップしたのが図1です。
図-1 「持続性」構成要素のイメージ・魅力点(一部抜粋)
ユニクロはコロナ禍におけるマスク生産がメディアで大きく取り上げられたように、既存事業にとらわれずに顧客のニーズに応えたことが「社会の変化に対応できる」項目の突出した評価につながっていると考えらえます。タニタは「企業姿勢・コーポレートメッセージ」の項目で評価されています。本業の計量機器製造・販売に限らず、タニタ食堂のような健康を前面に打ち出したイメージ戦略や、最近では働き方改革のユニークな取り組みも推進していることから、「企業としてのメッセージ発信」で評価されていると言えそうです。また日産自動車は「環境に配慮している」の項目で評価されていますが、こちらは長らく国産EV車を牽引してきているイメージが背景にあることがうかがえます。
このように、同じ「安心サステナビリティブランド」に分類されていても、その特徴である「持続性」を構成するイメージは、各企業の取り組みによって評価が異なることがわかります。自社が目指したいイメージに分類されているのはどのような企業があるのか、その企業はどのようなイメージが評価されているのかを見ていくことで、ブランディング活動のヒントになるかもしれません。
日経リサーチはブランド戦略サーベイのご活用に際して、どのような企業と比較すべきか、どういった項目を見ていくべきかといったご相談にもお答えしますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。
(ブランドチーム ソリューション第3部 小澤 篤志)
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