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顧客満足度を高めるには?顧客理解を深める分析ツールKeyExplorer活用事例-フィットネスクラブ編(前編)

CS調査の活用について、お悩みの方も多いのではないだろうか。今回は、日本最大級の顧客満足度調査「JCSI」の調査データについて、日経リサーチ独自の“データ&テキスト“マイニングツール「KeyExplorer」を用いた分析をご紹介する。

KeyExplorerの最大の特徴は、アンケートの選択肢(定量データ)と自由回答のテキスト(定性データ)を一緒にマイニングできることである。

 

KeyExplorerとは?

 

調査の結果をもとに具体的な施策につなげるには、Who(誰)とWhat(何)を知ることが非常に重要だと言われている。

 

Whoの理解には、性別や年代やサービスの使い方など、“どのようなお客様なのか”を知る選択肢(定量データ)が役に立ち、Whatとして“どんな価値を求めているか”を知るには、満足しているところや不満があるところをお客様に生々しく語っていただく自由回答(定性データ)の意見が役に立つ。


選択肢(定量データ)に加えて自由回答(定性データ)を加味することで、顧客の解像度をあげ、具体的な施策につなげるための分析の参考となれば幸いだ。

分析データ:フィットネスクラブの利用者

分析で使用したデータは、JCSIの2023年第2回調査のフィットネス編で、6つのフィットネスクラブのいずれかを利用していた1,781の回答サンプルである。

 

フィットネスクラブ業(6社・ブランド)について分析

 

分析の目的・分析方法

今回紹介する分析では、フィットネスクラブにおける満足度の構造を把握し、満足度を高めるには誰にどのような対策・施策をするべきなのかを探っていく。


まず前編では、満足度の違いによって利用者の属性やフィットネスクラブの使い方にどのような特徴があるのかを見て行く。

 

後半では、満足度の高い層に絞り、サービス品質の評価の特徴、属性による満足度の特徴の違いを深掘りし、ターゲット別に響く満足度の向上のポイントを抽出する。

 

JCSIコラム_分析目的

 

 

本データでは、利用しているフィットネスクラブに対する満足度を、10段階で評価している。

 

「非常に満足」の「10」と、その次の「9」と回答した約2割を「満足高層」、「非常に不満」の「1」から「5」までの約2割を「満足低層」、そして中間の「6」、「7」、「8」という回答者層を「満足中層」として、回答者を3つに区分した。

 

目的変数CS1(顧客満足全般)3グループに分類

 

満足度の高低によって、それぞれのグループが他のグループと比べてどのように違うのか、どのような特徴があるのかという視点で分析する。


そのグループの性別や年代、年収、フィットネスクラブをどの程度使ったのか、1カ月間でどれぐらいのお金を払ったのか、どういった目的で利用したのかといった選択肢(定量データ)を分析した上で、その人たちが満足した意見、不満に感じた意見、そのフィットネスクラブをなぜ利用したのかといった自由回答(定性データ)を分析した。ここがいわゆるテキストマイニングに当たる部分になる。

 


満足度の高低によって、属性・利用状況がどう異なるか、特徴を探る

満足高層の特徴

まず、満足度の高い「満足高層」の特徴を図にしてみた。

 

顧客満足全般=9-10  満足高層の特徴

 

上図は選択肢(定量データ)で属性や使い方から見たワードクラウド、下図は満足意見や不満意見など自由回答(定性データ)のテキストマイニングから見たワードクラウドになっている。文字が大きいほど特徴が強いという形で表示されている。

上の図で満足度の高い人の特徴を見ると、「運動を楽しむため」や「特定の筋力や運動能力を向上させるため」、「身体能力・体力を強化するため」など、フィットネスクラブを利用する目的の選択肢(定量データ)が表示されている


筋力や運動能力の向上、体力強化、運動を楽しむといった明確な目的意識を持っており、トレーニングジムというワードも出ているので、ジムを使っている人が多いようだ。


また「1カ月以内」や「50回以上60回未満」など、大体週2回ぐらい使っているという頻度を表すワードも出ている。割とアクティブに活用している人が多く、属性的には男性の20~30代で、個人会員で加入している人が多いというワードも出てきている。

下の図は自由回答(定性データ)の満足意見と不満意見だが、「通う」や「コストパフォーマンス」が「いい」など、通いやすさを表すワードが大きく出ており、利用のしやすさが好意的な評価のポイントになっている。


また、「清潔感」や「安心」といったワードのように、施設が清潔で、安心して利用できる雰囲気であることを評価する言葉も多い。満足高度の人には運動を楽しむ、筋力増強など目的意識が強い若い男性が多く、通いやすさや雰囲気の良さを評価しているという特徴が見て取れる。

満足中層の特徴

続いて、満足度が6から8の「満足中層」を見てみる。

 

顧客満足全般=6ー8 満足中層の特徴

 

上の図が選択肢(定量データ)の設問だが、「法人会員」や「男性50から59歳」、「結婚している」といった言葉が大きく出ているのが特徴だ。おそらく勤め先の法人会員を利用した50代の既婚男性の会社員が非常に多いということだろう。


利用の目的としては「身体能力・体力を維持するため」、「定期的な運動」をしたくて通っている。また、「バス・浴槽・シャワー」という言葉が出ているが、これはどんな施設を使っているかという設問に対する答えなので、ジムやマシンではなくバス・シャワーを使っている、つまり、仕事終わりにシャワーを浴びて帰るという日課として使っている人が多いのではないかという、ちょっと面白い属性だ。

次に下の図の自由回答(定性データ)を見ると、「福利厚生」という言葉が非常に大きく、「価格」という言葉も出ている。会社の福利厚生のサービスを安く使えることが大きなポイントになっており、先ほどの属性の設問と通じる部分があるのではないか。


「スタッフ」という言葉も非常に大きいので、スタッフの応対に圧倒的な評価の意見が集まっているようだ。こうした「満足中層」の属性は、勤め先の福利厚生で利用する50代の会社員が多く、スタッフや機器の充実、プログラムの良さを評価しているという形で理解できる。

満足低層の特徴

最後に、満足度が1から5の比較的満足度が低い層の属性や使い方を見てみる。

 

顧客満足全般=1-5 満足低層の特徴-1
半年間の利用回数を聞く質問の答えでは「2回以上5回未満」が出ており、非常に利用は低調である。「6カ月以内」というのは直近いつ利用したかという質問の答えなので、頻度も非常に低く、ちょっと利用が遠のいている人が多そうな属性になっている。


また、利用目的では「わからない」や「リフレッシュのため」が大きく、先ほどの満足高層の体力強化や筋力向上とは違い、意識的にも少し希薄な人が多いようだ。属性的には女性の40~50代で、1人暮らしも多い。これで満足度がやや低調な人の顔が少しはっきりしてくるのではないか。

下の図の自由回答(定性データ)を見ると、「ない」や「全く」というワードが出ている。これは満足意見があるかという質問に対し、「ない」、「全くない」といったワードが多いということで、ポジティブな評価がほとんどなく、ネガティブな意見が中心になっている状況が見えてくる。


「利用」、「減る」という言葉も見えるが、実際は利用料金や厳密な利用ルール、利用時間などに対する不満意見として、或いは「スタッフ人数が最近減ってきた」や「使えるメニューが減る」というような意見が出てきた。

ワードクラウドで表示される「利用」という単語の原文を見てみると、「一部の人が長時間利用して空かなかった」、「利用料金がどんどん値上がりしている」、「夜間の利用が難しい」、「営業時間が利用できない時間帯だ」など、利用料金や厳密な利用ルール、利用時間などに対する不満意見があった。


同様に「減る」も、「メニューがたくさん減りました」、「使っていたエアロビクスが減った」、「コーチの数が減った」というように、同じ「減った」という意見でも、様々なものが減って不満意見につがっているようだ。

まとめ

前編では、利用しているフィットネスクラブに対する満足度によって特徴が異なることを確認した。

 

後半では満足度の高い層に絞り、サービス品質の評価の特徴、属性による満足度の特徴の違いを深掘りし、ターゲット別に響く満足度の向上のポイントを抽出していく。

 

今回は6つのフィットネスクラブを利用している回答者を束ねた業界全体の傾向として分析しているが、自社顧客の特徴を理解したり、満足度を上げる施策のヒントにしたりすることももちろん可能である。


当社はJCSIの利用推進パートナーとしてレポートなどを販売するだけでなく、多数のCS調査のカスタマイズ調査を企画・設計している。顧客体験価値・満足度の向上でお悩みの方は、お気軽にご相談いただきたい。

 

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