Report

差別化にはデジタルとリアルの融合が鍵 〜対面サービス中心のアッパーマス層以上にも広がる「デジタル重視」〜

銀行ランキング「消費者調査」2026の結果より

2026年4月、今年で3回目となる「NIKKEI Financial銀行ランキング」がリリースされました。本ランキングはNIKKEI Financialと日経リサーチが、利用者が各銀行を評価した「消費者調査」に加え、「銀行本部調査」「公開データ」の3つの指標を掛け合わせて算出したものです。

銀行ランキングは5分野(※1)で構成されていますが、「消費者調査」では、このうち『利便性』『商品サービス』『接客応対』『企業姿勢』の4分野(計55個の個別項目)について、利用者からみた「重視度」と「満足度」を聴取しています。性別・年代・保有資産額などの属性データも網羅しており、顧客セグメントごとのニーズを多角的に把握できるデータとなっています。

本コラムでは、顧客セグメントの中でも、一般的に専任担当者による対面サービスが中心とされる、保有資産が3,000万円以上の「アッパーマス層以上」に注目します。この層から選ばれる銀行にはどのような条件が求められるのかを、最新の調査結果から紐解きます。


※1 銀行ランキングの5分野:『利便性』『商品サービス』『接客応対』『企業姿勢』『収益性』

アッパーマス層以上が求める利便性はデジタル面

アッパーマス層以上が対面とデジタルのどちらをより重視しているのかを確認するため、『利便性』と『接客応対』の個別項目を中心に、アッパーマス層以上と調査対象全体で傾向を比較しました。

その結果、「インターネットバンキングの画面の使いやすさ」や「銀行アプリ認証サービスの使いやすさ」など、デジタル面での利便性をより重視する傾向が浮き彫りになりました(図1)。

 


図1.対面・デジタルサービスの重視度v1

 

 

このように、手厚い対面サービスを受けられる環境にある層だからこそ、資産運用などの複雑な相談は対面で行う一方、日常的な手続きにおいてはタイムパフォーマンスを重視し、デジタル面での快適性をシビアに求める「使い分け」の心理がうかがえます。

こうした重視点にしっかり応えられている銀行ほど、この層から選ばれていると考えられます。では、実際に満足度の高い銀行と低い銀行では、具体的にどのような点で差がついているのでしょうか。

満足度上位の地方銀行にみる「リアルとデジタルの総合力」

その違いを明らかにするため、ここでは、銀行ごとの規模や事業特性をそろえて比較しやすい「地方銀行」に絞ってデータを見ていきます。

アッパーマス層以上の回答者に絞ったうえで、総合満足度が「上位10行」と「下位10行」の地方銀について、『利便性』『接客応対』の各個別項目の満足度の平均値を比較しました。
その結果、上位行は、対面サービスだけでなくアプリをはじめとするデジタルサービスの両面で、下位行を大きく上回る満足度を得ていることが分かりました(図2)。

 

 

図2.地方銀行の総合満足度上位10行と下位で評価の差が大きい『利便性』『接客応対』の項目

 

 

アッパーマス層以上から選ばれる銀行となるには、従来強みとしてきた手厚い対面サービスの提供を大前提としつつ、デジタル面でも高い利便性を同時に提供する「金融機関としての総合力」が問われていると言えそうです。

市場が大きく変化する中で、利用者の意識も変化しています。「消費者調査レポート」では、こうした顧客ニーズの変化を捉えるための時系列比較やトレンド把握、競合行との比較分析も可能です。貴社の戦略立案や課題解決の指針として、ぜひ幅広くご活用ください。

 

 

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