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BtoBマーケティングにおける調査の重要性とは。リード獲得や製品開発を有利に進めるためのポイントを解説。

BtoB企業には、自社の技術力や営業力への自信から、マーケティングの重要性を認識していないケースが見受けられる。また、マーケティングを行おうと思っても、企業側にノウハウが少なく行き詰まってしまっている場合は少なくない。あるいは、自社の事業領域がニッチなためにどのようにマーケティング活動を行うのかわからないという企業もあるのではないだろうか。

 

DXが進展している現在、引き合いが来た段階で商談はすでに最終段階というデータもある。引き合いが継続的にあるためには、自社だけではなく他社や顧客の状況をしっかり押さえておく必要がある。これがBtoBマーケティングの第一歩になる。他社や顧客の状況を抑えるには、調査も有効な手段である。

 

本記事では、BtoBマーケティングでの調査の重要性やポイントについて解説する。

BtoBマーケティングとは?

BtoBマーケティングとは、企業間のビジネスにおいて、顧客ニーズ・マーケットを把握し、売り上げ見込みの確認(収益の評価・検証)をしたうえで製品化することである。

BtoBビジネスは、対象となるユーザーが企業であるため、BtoCビジネスに比べ受注単価が大きくなる場合が多い。また、製品やサービスの購入者と利用者が異なり、購入までに社内のさまざまな購買関与者との合意が必要であるため、受注までに要する検討期間が比較的長く、1カ月から1年といわれている。

 

そのため、長期にわたりユーザーとの接点を必要とし、相手方の意思決定プロセスに合わせたコミュニケーションが求められるビジネスである。

BtoBマーケティングにおける調査の重要性

これまでの日本のBtoB企業の多くは、技術力に依存した「シーズ志向」や「プロダクトアウト型」のビジネスであった。さらに2割の大口既存顧客が企業の8割の売り上げを占めているという場合が往々にしてあり(パレートの法則)、BtoB領域においてマーケティング活動に積極的に取り組んでいる企業は限定的であったのではないだろうか。

 

デジタル化の進展などにより、顧客のビジネス環境や購買行動、事業領域が変化している現代において、企業を成長・発展させていくためには、従来営業が対応していた2割の大口既存顧客に加え、残り8割の既存顧客や、潜在顧客の声やニーズを把握し、大口化することが必要になってくる。

 

よって、これからの企業に求められることは、自社の置かれている市場についてきちんと理解し、顧客視点に立ったマーケティング活動を行うことである。顧客のニーズや市場について知り、自社の立ち位置や自社製品への課題を理解することで、今後の製品開発や新規顧客の獲得に役立てることができる。

 

このように、より顧客ニーズや市場に適したマーケティング活動を行うための手段として「調査」を行うことが効果的である。

BtoBマーケティングにおいて調査できること

自社製品やサービスのニーズ調査と市場理解

自社の製品やサービスが市場においてどのような立ち位置にあるのか、そして競合の製品やサービス、顧客はどのようなニーズを持っているのかを把握できる。それにより、自社製品やサービスの課題や方向性を明らかにし、適切な戦略を立てることにつながる。

特定の購買層向けのニーズ調査

BtoB製品にはそもそも顧客層が限られる場合が多く、調査対象者を見つけ出すことが難しい。適切な調査結果を得るためには、製品やサービスを実際に利用しているユーザーに向けた調査が必要不可欠である。

 

このような場合に日経リサーチでは、日経電子版会員を中心とした約1,100万人の日本最大級ビジネスパーソンプラットフォームである「日経IDリサーチサービス」を活用し、貴社の顧客ターゲットである業界の意思決定層や、チャレンジに積極的で新しいツール導入に積極的なビジネスリーダー層などにリーチ可能である。

 

代表的な調査手法

インターネット調査

インターネットを利用して調査モニターに対して質問と回答データを送受信し、回答者はWebブラウザを利用して調査票を見ながら回答する方法である。

 

迅速に回答を得ることができ、「紙とペン」では実現できなかったプログラムを調査票に組み込むことができる点に大きな特徴がある。例えば、ラジオボタン等を組み込むことで、単数回答(SA)の質問での複数回答を完全に回避することができる。

郵送調査

調査票などを対象者に郵送し、回答記入後、郵便で返送してもらう調査方法である。企業内個人を対象とするのではなく、法人としての企業の意見を聴取する手法としては、郵送調査が最も適している。最近は郵送で企業に依頼を行い、回答はインターネットで集めるという手法が主流になってきている。

インタビュー調査

「自社製品を採用しなかった理由」や「自社製品採用後の社内の評判」などの、数値化できないデータをインタビューによって調査し、定性的に具体的な内容を把握する調査方法である。決定の背景を掘り下げ、定量調査だけでは把握できない対象者の本音を探ることが可能である。

調査からBtoBマーケティングを成功させた事例

事例① CADメーカー A社

広告展開などを行って自社の認知度向上にむけた施策を実施していたが、その効果測定や競合との比較ができておらず、現状の自社・他社の立ち位置も把握できていなかった。現状把握や効率的な打ち手を見出すために自社のビジネスターゲットに絞って調査を行い、施策の検討や訴求ポイントを把握し、以後の施策立案に活かした。

事例② IT企業 B社

新サービスの開発をする際に、自社の既存製品や技術をもとに開発構想を行ってきたが、顧客ニーズと仮説、構想が合致しているかが把握できていなかった。顧客ニーズを満たし、必要以上の機能追加により販売価格が上昇しないように配慮するうえで、自社のビジネスターゲットに絞ってインタビューを行うことで、ニーズや改善点を把握し、新サービスの開発につなげた。

リサーチ会社に依頼するメリット

 

リサーチ会社に依頼することで、調査対象者を見つけ出し、調査を行うためのリソースを、社内で本来やるべきことに振り分けることができる。また、リサーチ会社名義で調査を行うことで、第三者としての中立性を調査対象者に示しつつ、自社や競合に対する客観的な評価を得ることができる。

調査にあたって留意すること

目的を明確にする

調査対象者から多くの回答を得て、その中から必要な情報を見つけるのではなく、あらかじめ調査する目的や結果活用イメージ(=ゴール)を明確にしてから、質問内容を整理する。質問が多くなれば回答者の負担となり、回答の精度や協力率も下がるほか、費用が増えるため課題と目的の整理が重要である。

誰の意見(声)を確認したいのかを明確にする

顧客ターゲット像を明確にし、適切なユーザーから情報を得る必要がある。

質問を明確にする

BtoBでの調査の場合、知っているはずという思い込みから、自社用語などを多用して質問することで、調査対象者が理解できないということが起こりやすい。対象者の負荷の軽減という観点からも、一般的で平易な用語で質問をするということが必要である。

まとめ

プロダクトアウトに陥りがちなBtoBビジネスにおいて、顧客視点に立ったマーケティング活動を行うために、まず自社の置かれている市場・競合・顧客に目を向け、ビジネスの現状を把握することからはじめよう。

 

日経リサーチは、総合調査会社として50年以上の歴史をもち、幅広い業界、テーマ、調査対象者(個人・事業所)、手法などの調査を数多く手がけている。豊富なノウハウや知見をもとに、専門チームが高品質のデータを最適な方法で集計・分析し、次の施策につなげられるよう支援している。適切な方法で調査を行い、企業の発展に役立ててみてはどうだろうか。


 

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