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調査・統計用語集

人工知能

人工知能(Artificial Intelligence;AI)とは、人間が知能を使っておこなう様々なことをコンピューター上で実現できるようにすることをいう。一般的には、(1)人間と同じようにコンピューターが自分で考えられるようにする試みと、(2)人間が行っていることを真似することの2種類に分かれる。現在、人工知能が注目されているのは、主に(2)の領域である。
 人工知能が近年ブームになった背景としては、Deep Learning(深層学習)というニューラルネットワークを発展させた手法が登場したことが大きい。Deep Learningとは、多層構造をもつニューラルネットワークである。ニューラルネットワークを多層化する試みは以前から取り組まれていたが、中間層(隠れ層)を増やせば、過学習してしまう欠点があった。相互検証法などで安定化させる努力をしても、パラメータを増やせば過学習になるという一般的な欠点と限界を持つことは、ニューラルネットワークにおいても同様であった。
 しかし、この欠点をひとつひとつの層毎に学習させることで解決したのがDeep Learningである。層毎に事前学習(予習)することで、層毎にパラメータ推定のための適切な初期値を得る。これにより多層化しても過学習することなく、うまく学習するという機能がブレイクスルーとなった。ビッグデータという環境変化により、多くのニューラルネットワークを必要とする複雑な学習であっても十分な規模のデータがあることや、処理速度の向上もまた人工知能の実用化に寄与した要因である。
 多層化のメリットは、従来人間が行っていた特徴量の作成-判定精度を上げるために、入力データを加工する-を中間層でつくることができるようになったことである。例えば画像の顔判定なら、①画素から「線」や「丸」を判定し、②その組み合わせから「目」「口」「鼻」「耳」を判定し、③その組み合わせから「顔」を判定するといったように、階層を経ることで高い精度で画像から「顔」を判定することができる。

<活用分野>
 まずは画像認識の分野から研究が進んでおり、自動車や産業ロボットの自動運転、医療の画像診断などで近いうちの実用化が期待できる。さらに、音声の自動判定、自然言語の処理へと活用分野は広がっている。

<具体的な実現方法>
 現在、Deep Learningを実行するためには、有名なところでは2つのフレームワークが存在している。Deep Learningを実行する場合には、これらのフレームワークを使い、さらに演算時間を短縮するためにGPGPUと呼ばれる汎用の画像処理プロセッサをもつハードウェアをもちいる場合が多い。

・ TensorFlow(https://www.tensorflow.org/)

 Googleが開発し、オープンソースとして提供

・ Chainer(http:// http://chainer.org/)

 Preferred Infrastructure社 及び Preferred Networks社が開発。オープンソースとして提供

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