代表性
代表性という用語は日常語として、さまざまな場面で利用されており厳密には定義されていないが、調査・統計の文脈で代表性という場合は、標本が母集団をよく代表しているかという程度のことを指す。「母集団の縮図になっている」という比喩でも表現されることが多い。
統計理論の立場からは、定義された母集団から確率的な手順で抽出された標本であることが、「標本が母集団を代表している」という代表性を理論的に保証している。
有意抽出で人為的に母集団とよく似た集団を作れそうに思うかもしれないが、実際は困難なことが多い。また、有意抽出のノウハウを確立した場合も、継続的に品質を維持することは難しい。無作為(確率)抽出は、誰がやっても、いつやっても手順が同じであり、常に再現できるという意味では、有意抽出よりも容易だとも考えられる。そのうえで代表している程度を数学的に計算できる「科学的方法」である点でも優れている。